2013年10月10日(木)‐10月15日(火)

中西 紗和個展 in-U-

 

前回の個展と日々の制作によって、ロストワックス法によるブロンズ彫刻とは「墓」なのではないだろうかというひとつの仮定がうまれました。

現在は、喪失のあとに立つものとして、または記憶の喚起のためのスイッチとしてブロンズを捉えています。
今回の展示ではそれらを踏まえて自身の展開を試みます。(中西 紗和)

 

 

 

 

2013年 個展 -Infuse- 作品
2013年 個展 -Infuse- 作品
中西紗和 Nakanishi Sawa

1985年 東京生まれ

2011年 東京芸術大学大学院彫刻研究領域修了 
            現在、東京芸術大学大学院彫刻研究領域博士課程在籍
 
個展
2012年5月 中西 紗和展「Infuse」 零∞
 
グループ展
2012年 イモノの景色 東京芸術大学陳列館
        三越×藝大 三越日本橋本店
2011年 東京 Gallery-G
2010年 Lecturer Exhibition GALLERIA PUNT
2009年 丸の内×芸大 丸ビル   
        時空の街 街の音 TEPCO浅草 
2008年  卒業制作選抜展 東海ステーションギャラリー
            パブリックコレクション

2009年 「東京」 横浜金沢動物園

  
受賞
2010年 修了制作 「into」 東京芸術大学買上賞
2008年 卒業制作 「東京」 三菱地所賞
参加プロジェクト
2009年 越後妻有トリエンナーレ

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中西紗和さんは、ロストワックス法という鋳造方法でブロンズ作品を作っています。
完成品となるものの原型をワックス(ロウ)で作り、石膏や砂で作った鋳型にロウを包み、熱でロウを消失させる。
消失した空洞部分に溶解した金属(ブロンズ)を流しこんで作品が出来ます。
元々あったもの(ロウ)が消失することで存在する作品。これは、墓と同じなのではないかと中西さんは話します。
ブロンズ彫刻も墓と同様、失ったもののあとに作られるモニュメント(記念碑)ではないかと。
また「人をつつむ、箱にいれる、化粧する、火葬する、いれものに入れ替える、飾る…。
これらの埋葬行為と、ブロンズ鋳造法の行為が同じである。ロストワックス鋳造法は、人間の葬式の儀式でもあり、彫刻を鑑賞することは
葬式儀式の追体験ではないか」とも話しています。
これらの制作過程上で起こる思考もおりまぜたインスタレーション展となりました。(零∞)

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ブロンズ彫刻

 

2013年5月個展の際に展示したもの。前回は炉から出した状態のものを展示したが、今回は磨いてブロンズ本来の色を出した。これらは視覚を遮断して制作したもの。自分の中に眠る記憶や無意識の部分を引き出すために視覚以外の感覚を頼りに作成。「ブロンズを磨くとぴかぴかになる。墓石も同じ。」(中西さん)

るつぼ(黒鉛)・パラフィン・針金


「鋳壺(るつぼ)自体が人間の身体。人間はいれもの。いろんなものをいれたりだしたりするもの。
形がゆがんだり崩れたりそのうちなくなっていくもの。見た目的になくなっていくものを作りたかった。」(中西さん)

 

実際に鋳造制作中に使用するために作っているるつぼ(写真左)

るつぼを模写してつくったパラフィン作品(写真右)

針金・鈴(ブロンズ)

「これは、棺桶的なものでもあり、生きているものでもある。」
「この何かに入ることで自分の身体がいつかなくなることを想起させる装置でもある。」
「外側は皮のような皮膚のようなもの。この中に入ってこれを鳴らすと声を出すことになる。」(中西さん)

材料:レンガ、マッチ、砂

 

鋳造作業の際に使用しているレンガ。ワックスを包むため、石膏を完成させるためにこのレンガで窯を作って中で火を焚くもの。
形がなくなっていくもの達を祀っている、「ほこら」なのか。

展示全体風景