渡邊 瑠璃 Watanabe Ruri

美術作家
福岡県在住。現在久留米市にて活動開始。

http://ruriwatanabe.com/

 

1989年 福岡県生まれ
2009年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻 入学
2013年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻 卒業

展示履歴
2010年 「山嵐のジレンマ」大学構内展示
2012年 「iii!i」gallery 悠

2013年  28ZAKI 海浜博覧会
2013年  平成24年度 武蔵野美術大学 造形学部卒業制作・大学院修了制作 優秀作品展

2013年8月22日‐8月27日

渡邊 瑠璃個展

 「くうどうのもつものがたり」

 

ひとは、山にも土にも海にも空気にもなり得る。
幼い頃、この身体はいつか、この空気の粒子に融けてゆく、という予感に近い感覚があった。そこには、山から香る土の匂いがあった。
私は、言葉になる前の未分化の感覚を形にしようと試みる。そして、作ることで自分に、世界につなげてゆく、考える。
全てのいきもの、カタチをもつもの、の空洞性、皮膚感を考える。
空洞がたたえるもの、あるいはその中に棲むもの、を考える。
見えるのはそのものの表層だけだが、中に在るものを感じることはできる、想像することはできる。
空洞のなかに、在るものも。

(渡邊 瑠璃)

植物油(オリーブオイル) ケント紙  グラファイト クレヨン 油絵の具

人体転写作品。全身にオリーブを付けて皮膚のように皺くちゃにしたケント紙の上でポーズを取った。

左:新聞紙 膠(にかわ) 石膏 麻ひも
自分の身体の一部を型取った作品

右:和紙 植物油 グラファイト
全身にサラダ油を全身に付けて和紙の上で動き回った。「皮をはいで平面にしたかった」

雑草(レモングラス、どくだみ、など) 麻ひも 横5m×縦2.5M

 

現在住んでいる故郷福岡の野原で採取した雑草で編まれた幕状の造形物。

下方にいくにつれて円形になり造形物と壁を麻ひもで繋げた。筵(むしろ)に近い形状で中央下方に縦長な穴が開いている。

この穴は人間の穴(口、目、女性の性器など)でもある。

土 木灰
アトリエ付近の山で野焼きして制作。それぞれ、くうどうを持つ土器のようなもの。土器の下に敷かれているのは焼く時出来た木灰。

右:キャンパス 油彩 96㎝×126㎝、祖父の死に顔

左:キャンパス 油彩 65㎝×53㎝、夢に出てきた生き物

展示風景

(零∞)

渡邊 瑠璃さんは、皮膚が包み込んでいる中にあるもの、身体の表層の中を「くうどう」と表現している。その「くうどう」には何かが棲んでいる。
また、何かが入ってくるすき間が「くうどう」でもある。そんな人体・形ある物のくうどう性を形にした展覧会でした。
雑草を織る、土を掘る、土を触る、火をおこす、麻ひもを結ぶ、身体を紙に転写する、それらの行為の1つ1つが、
渡邊 瑠璃さんにとって、目に見えないものの中に潜む「くうどう」と自分自身を繋ぐ行為のようです。