2013年7月8日(月)‐7月20日(土)

 

UNKNOWNS 2013 

「東京造形大学近藤昌美セレクト/慶応義塾大学近藤幸夫ゼミ合同展」
(会場:零∞、ギャラリー現)

 

 

 

企画者コメント

慶応義塾大学理工学部准教授 近藤幸夫

昨年、近藤昌美さんと実験的におこなった展覧会が、学生達にたいへん好評でしたので、今年は第2回目をやらせていただけることになりました。従来の美術評論家は、哲学や美術史の知識に富み、無自覚なアーティストたちに自らの価値を気付かせるといった、いわば上からものを言うような立場であったように思います。時にはフランス哲学や文学を援用するそのペダンティックなものの言い方が時として胡散臭く感じるのは私だけでしょうか。今日、ネット上でかなりの量の情報を収集出来る世の中で、アーティストたちは昔のように素朴ではないはずです。下手すれば、評論家よりアーティストのほうが深い知識をもっていることもあるでしょう。旧来の「価値付けする評論家」はもういらないのではないでしょうか。その代わりに、アーティストの言葉に耳を傾け、その意図がどこにあるのかを見定め、それがどのようにすれば社会で受け入れられるかを共に考える人こそ、これからは必要になのではないでしょうか。それは、プレゼンテーションの仕方(展示)、テキストなど様々な方面に及ぶはずです。具体的にはキュレーターやジャーナリストなどといった職種が近いかもしれません。このささかやかな展覧会を通じて慶応の学生が、このようなアートと生きる精神を学んでくれればと思います。

 

 

東京造形大学絵画専攻教授 近藤 昌美
昨年度のUNKOWNS展では、私が選出した4名の東京造形大の学生作家に、慶應義塾大学の近藤幸夫先生のゼミ生が批評文を書いてくれ、それを作品とともにギャラリー空間に掲示する試みをしたわけであるが、今年度もそれを引き続き行いたい。作品と批評を同時代の学生同士で交歓することについて、両大学の当事者はもとより、来場者や美術関係者にも存外な好評を得た。当初教育目的での発想であったが、それだけにとどまらずこの試みの新鮮さが評価されたのかもしれない。学生たちはそれぞれ、社会に巣立つ準備をしている。それはアーティストとして、または批評やギャラリストとしてなのかもしれない。造形大、慶応義塾大相互の刺激が教育的に興味深いのみにとどまらず、この企画自体が学生にとって、社会に向けた自身を売り出すショーケースの意味も生まれて来ているとしたなら、それは我々教員にとっても嬉しくありがたいことだ。

出展学生プロフィール

阿部 睦 Mutsumi Abe
1990        熊本県生まれ
2012        東京造形大学大学院造形研究科美術研究領域1学年在籍

(グループ展)
2011     「シェル美術賞展2011」 代官山 ヒルサイドフォーラム (東京)
2012     「ワンダーシード2012」トーキョーワンダーサイト渋谷(東京)
2012     「マイ・ファースト・アート」銀座三越8階ギャラリー(東京)
2012     「交換的日記」東京造形大学 ZOKEIギャラリー (東京)
2013     「ZOKEI展」東京造形大学 (東京)
2013    「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」 国立新美術館
2013    「近藤ゼミ展」HIGURE 17-15CAS  (東京)
(受賞)
2011        シェル美術賞2011 本江邦夫審査員賞
2012        ワンダーシード2012 入選


身体(器)から精神が抜け出せないもどかしさ。
人々は、限りなく現実に近い夢を見る。

小池真也 Shinya Koike

1991年  栃木県那須塩原市生まれ
2010年  東京造形大学入学

(グループ展)

2010年  マヨヒガ展 高円  吉野純粋蜂蜜店のギャラリー
2011年  遊美展 船堀 タワーホール船堀 展示ホール
2012年  形象三年展 東京造形大学 zokeiギャラリー

 

(コメント)

日本の伝統的な染色技術や、規則的な絵の具の刷毛ムラなどを利用した具象絵画を制作しています。

イ メージは主にネット上からそのとき興味を引くものを選択し、極端に編集を施した後に絵の具で描く事によってさらに

匿名性を上げるような処理をしています。絵画が、作家のオリジナル性を示すものではなく、

コピーや引用から出来ているのではないか、という事を確認しながら日々制作しています。

益子 未知 masuko michi
1990年 神奈川県藤沢市生まれ
2011年 阿佐ヶ谷美術専門学校絵画表現科 卒業
2013年 東京造形大学絵画専攻領域 卒業
現在 同大学大学院美術研究領域在籍
(グループ展)
2010年 鳥がチーズを食べる 人形町Vision's
       益子未知×渡邊直人 文房堂B-shop
2011年 ネズミいろ Gallery corso

(コメント)

自身で撮った写真をモチーフに使用し、制作しています。
写真といういわば私の視線を、油彩に直すという行為は、風景画というよりも自画像のような、制作というよりも瞑想のような。
恐らくそのようなことをしているのかなと、日々考えています。